0001きつねうどん ★2024/04/09(火) 16:18:11.45ID:n0USoaWj
梅、桃などバラ科の果樹の内部を食い荒らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」(通称・クビアカ)の生息域が年々拡大し、果樹農家が警戒を強めている。廃業する農家が出るほどの被害を及ぼす害虫で、紀州南高梅の一大産地・和歌山県みなべ町では今月、幼虫の痕跡を見つけた人に1万円の懸賞金を出す取り組みが始まった。拡散を防ぐため、成虫になる前に被害木を伐採するのが狙いだ。(和歌山支局 平野真由)
大阪から南下
みなべ町の山間部に広がる梅林は2000ヘクタール以上。梅農家は約1200戸ある。
約3ヘクタールの梅林を管理する 月向げっこう 雅彦さん(62)は「この辺りはどこにでも梅の木がある。クビアカはいったん入ってくると、一気に広がる可能性が高い」と、危機感を募らせる。
環境省によると、クビアカは、国内では2012年に愛知県で初めて確認され、現在、13都府県で見つかっており、18年に特定外来生物に指定された。関西では、15年に大阪府で生息が確認され、19年に奈良県、22年に兵庫県で確認された。
和歌山県では17年、大阪と接するかつらぎ町で最初にクビアカの成虫が見つかった。その後、果樹被害は県北部に限定されていたが、昨年、県中部の日高川町に広がり、4年余りで梅など約3500本の樹木が被害に遭った。
みなべ町は日高川町から南東に約20キロ。まだ被害は出ていないが、月向さんが会長を務める農家団体「みなべ町農業士会」は何か手を打たないと危険だと考え、被害の未然防止に乗り出すことにした。
破格
クビアカの幼虫は2~3年かけて樹木内を食い荒らし、フンと木くずが混じった「フラス」を木の外に出す。冬眠を経て4月から活動し、6~8月頃に成虫になってすぐに繁殖行動に入る。駆除するには4、5月が正念場で、同会は幼虫の痕跡である「フラス」の発見者に1万円の懸賞金(1人1件まで)を出し、成虫になる前に木を伐採して被害拡大を防ぐ。
支払いは予算の上限10万円に達すると終了するが、駆除徹底のため、梅だけでなく、庭木や公園の桜など町内の樹木全てを懸賞金の対象とした。
関東では、成虫の捕獲に奨励金などを出す自治体もあるが、相場は1匹50~100円で1万円は破格だ。月向さんは「早期発見が何より大切なので、あえて高い金額にした」と語る。
行政も独自予算で被害の拡大防止を後押しする。被害木を伐採し、根っこまで抜くのが根本的な対策とされ、町民が果樹園でこの処理を行えば、県と町が1本あたり計6万円の支援金を交付する。
https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/04/20240409-OYT1I50077-1.jpg?type=large
クビアカツヤカミキリの成虫(和歌山県提供)
◆ クビアカツヤカミキリ =原産地は中国、朝鮮半島など。体長約2~4センチ。黒光りする光沢と赤い胸部(首の部分)が特徴で、名前の由来になった。樹皮の割れ目に最大約1000個の卵を産むなど繁殖力が強く、天敵もいないとされる。
大阪から南下
みなべ町の山間部に広がる梅林は2000ヘクタール以上。梅農家は約1200戸ある。
約3ヘクタールの梅林を管理する 月向げっこう 雅彦さん(62)は「この辺りはどこにでも梅の木がある。クビアカはいったん入ってくると、一気に広がる可能性が高い」と、危機感を募らせる。
環境省によると、クビアカは、国内では2012年に愛知県で初めて確認され、現在、13都府県で見つかっており、18年に特定外来生物に指定された。関西では、15年に大阪府で生息が確認され、19年に奈良県、22年に兵庫県で確認された。
和歌山県では17年、大阪と接するかつらぎ町で最初にクビアカの成虫が見つかった。その後、果樹被害は県北部に限定されていたが、昨年、県中部の日高川町に広がり、4年余りで梅など約3500本の樹木が被害に遭った。
みなべ町は日高川町から南東に約20キロ。まだ被害は出ていないが、月向さんが会長を務める農家団体「みなべ町農業士会」は何か手を打たないと危険だと考え、被害の未然防止に乗り出すことにした。
破格
クビアカの幼虫は2~3年かけて樹木内を食い荒らし、フンと木くずが混じった「フラス」を木の外に出す。冬眠を経て4月から活動し、6~8月頃に成虫になってすぐに繁殖行動に入る。駆除するには4、5月が正念場で、同会は幼虫の痕跡である「フラス」の発見者に1万円の懸賞金(1人1件まで)を出し、成虫になる前に木を伐採して被害拡大を防ぐ。
支払いは予算の上限10万円に達すると終了するが、駆除徹底のため、梅だけでなく、庭木や公園の桜など町内の樹木全てを懸賞金の対象とした。
関東では、成虫の捕獲に奨励金などを出す自治体もあるが、相場は1匹50~100円で1万円は破格だ。月向さんは「早期発見が何より大切なので、あえて高い金額にした」と語る。
行政も独自予算で被害の拡大防止を後押しする。被害木を伐採し、根っこまで抜くのが根本的な対策とされ、町民が果樹園でこの処理を行えば、県と町が1本あたり計6万円の支援金を交付する。
https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/04/20240409-OYT1I50077-1.jpg?type=large
クビアカツヤカミキリの成虫(和歌山県提供)
◆ クビアカツヤカミキリ =原産地は中国、朝鮮半島など。体長約2~4センチ。黒光りする光沢と赤い胸部(首の部分)が特徴で、名前の由来になった。樹皮の割れ目に最大約1000個の卵を産むなど繁殖力が強く、天敵もいないとされる。