、潮風の中、三菱パジェロは走ります。

「この先の岬に、『日本本土最西端の地』って割と立派な記念碑作ったみたいだけどさ」

「何言いたいか分かり易いわねえ。この風景なら当然だけど」

「ああ。記念碑から西の海見たら島だらけ。アレはひょっとして、宇宙一有り難みの無い記念碑かも知れねえ」

海沿いの県道18号から、国道204号に切り替えます。

「ずっと走りっ放しだが、そろそろ休まなくていいかー、セラン?」

「結構前から、ずっと寝てるわよ」

やっと視界が、開けた。

平戸大橋。

国道を204号から383号に切り換えると、平戸島へ向かった。

「大橋って言うから、どんなのかと思ってたのに、普通の国道と変わりないのね」

「そう言うなよ。四国に何本も橋が出来たせいで、大きな橋を渡るのが、当たり前のことの様な風潮になってるけど、実際使ってるのは関門橋と、四国周辺ぐらいのモンだぜ?いや、本当に使ってる人とか、四国人と、身内が四国人な関西人とか、その程度だろ?俺だって、関門橋ぐらいしか使っと事ないし」