ナベシンのインタビュー

――コロナではないとすると、どのような問題意識から生まれてきた設定なのでしょう。快楽のために使っていた鎮痛剤が、いきなり毒物に変わるというアイデアはどこから浮かんだものなのですか?

アメリカとかで社会問題になってる、オピオイド問題のニュースを見たのがきっかけです。処方箋があれば普通に処方してもらえる鎮痛剤なのに、死んでしまう人が続出して、その中に自分が最も好きなアーティストだったプリンスもいて、ちょっと人ごとじゃないなと。

――時限爆弾のようなハプナをスキナーがどうして作ったのかがやはり気になります。

奇跡の鎮痛剤、ハプナが服用の3年後に突然変異するという部分はフィクションですけど、専門家の人にも話を聞いて、難しいがまったく不可能ではない、と確認を取っています。
そしてそれを造ったスキナーを捕まえるということは、ただの捜査じゃなくて、聖人のように思われていたスキナーがどうしてこういうことをしたのか、その目的を知っていくことでもある。「ラザロ」の5人はスキナーを探すことで彼の考えていたことを徐々に知っていきます。つまり、スキナーという人間を理解するための旅のようなものと言うこともできます。