岡山知事後援会、収支報告書訂正や返金 法上限超す寄付受領問題

 岡山県の伊原木隆太知事の後援会が、知事の父親の伊原木一衛氏と妹2人から政治資金規正法の上限を超える寄付を受け取っていた問題で、後援会は10日、不適切に受領した計3950万円の寄付について、政治資金収支報告書の訂正や返金などの手続きを行ったと発表した。

 問題となっているのは、一衛氏が2018〜20年に寄せた計1950万円と、妹2人から13、14年にあった計2千万円。いずれも複数の政治団体を経由し、知事を支援する政治団体「生き活(い)き岡山」と後援会に渡っていた。両団体は一衛氏から計1億8千万円を借り入れており、寄付金を返済に充てていた。

 後援会によると、一衛氏からの寄付は全額が、貸付金の債権放棄として経理処理されていたことが判明。一衛氏に債権放棄を取り消してもらい、後援会側の借入金として再計上する形で収支報告書を訂正した。

 妹2人の寄付は、経由した政治団体への貸付金として処理。後援会側が団体に寄付金を返還し、団体から妹に返済した。団体の一部は既に解散しているため、実際の返金額は計800万円となった。

 同法は、一つの政治団体が1人の個人から受け取れる寄付額の上限を年間150万円と定めている。伊原木知事は「規正法の趣旨などの理解が不足していたことについて、改めて県民の皆さまに深くおわびする。今後は法の趣旨を踏まえ適切に対応していく」とのコメントを出した。