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毎日新聞 2021/12/24 20:11(最終更新 12/24 20:12) 551文字




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高槻市教委に報告書を提出する学校事故調査委員会の大川尚子委員長(左)=高槻市役所で24日午後1時55分ごろ、高橋昌紀撮影

 大阪府高槻市立小で2月、5年の男子児童が体育の授業中に倒れて死亡した問題で、市教委は24日、外部有識者でつくる学校事故調査委員会(委員長・大川尚子京都女子大教授)による報告書を公表した。児童は新型コロナ感染対策でマスクを着用していた可能性があったが、報告書は特定できなかったとした。さらにマスクを着用していたとしても、死亡に至るとは考えにくいと結論づけた。

 報告書によると、児童は2月18日朝、グラウンドで5分間の持久走をしていた際に突然倒れ、病院に運ばれたが死亡した。児童は走る前にマスクを着けていたとみられ、教諭が駆け付けた時はマスクはあごにかかっていたという。


「着用していても死に至るとは考えにくい」
 学校が児童32人に実施したアンケートでは、亡くなった児童がマスクをつけていたかどうかは「ずっとつけていた」(5人)と「途中で外した」(6人)で証言が分かれた。調査委は日本小児科学会に依頼して医師の意見を聴取。持久走は無理のない速さだったことなどから「マスクをつけていても一般的に直接の死因になるとは考えにくい」との見解を得た。

 死因については特定しなかったが、大川委員長は記者会見で「教師の指導方法などを含め、事故の原因となり得る瑕疵(かし)は見受けられなかった」と説明した。【高橋昌紀】