露軍はウクライナの北部、東部、南部の3方向から攻撃を開始。北部はベラルーシ、東部はロシア国境や親露派武装勢力の支配地域、南部はロシアが強制編入したクリミアや黒海沿岸からウクライナ領に侵攻した。ウクライナ軍は各地で抵抗を続けているが、軍事力に勝る露軍に苦戦を強いられている。
AP通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの侵攻によって国民137人が死亡したと明らかにした。一方、英国のウォレス国防相は、露軍では450人以上の死者が出ていると発表した。
ロシアは民間施設は攻撃しないと説明している。しかし、ウクライナ内務省は露軍が33カ所の民間施設を攻撃し、子供2人が死亡したと発表した。
欧米メディアによると、露軍は24日、キエフ郊外のゴストメル飛行場に部隊を急派した。AFP通信が報じた住民の話によると、飛行場上空にヘリコプターが飛来し、パラシュート部隊が降下した。飛行場付近では露軍とウクライナ軍の攻防戦が続いている模様だ。露軍はウクライナ国内の飛行場11カ所を破壊したとしており、ウクライナから制空権を奪う目的で重点的に攻撃したとみられる。露国防省は「この日の任務は全て成功した」と発表した。
露軍は25日までにウクライナの軍事施設118カ所を破壊したという。
一方、ウクライナ政府高官は、チェルノブイリ原発が露軍に占拠されたことを認めた。「原発が安全だとは言えない。欧州最大の脅威の一つとなる」と述べ、放射性物質が漏出する恐れに言及した。同原発では1986年に爆発事故が起き、現在も周辺は立ち入りが制限されている。
露国防省の報道官は25日、同原発の警備に空挺（くうてい）部隊を派遣すると発表した。
ゼレンスキー氏は25日、「我々は自由と領土を守っている。国際的な助けが必要だ」とツイッターで訴え、旧共産圏の東欧諸国を含む欧米に支援を求めた。
国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）は、ウクライナで住居を追われた避難民が10万人に上ると推計している。モルドバやルーマニアなどの近隣国に逃れた避難民も数千人いるとみられる。
フランスのマクロン大統領は24日、ロシアのプーチン大統領と電話協議をし、今すぐに軍事行動を停止するよう伝えた。【モスクワ前谷宏、パリ久野華代】
毎日新聞 2022/2/25 20:34（最終更新 2/25 20:34） 1164文字
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