任期満了に伴う新潟県知事選(5月12日告示、29日投開票)について、立憲民主党県連は26日、党独自候補の擁立を断念する方針を明らかにした。菊田真紀子代表は報道陣の取材に「野党第1党として選択肢を示したかったが、大変残念ながらできなかった」と述べた。

 県連はこの日、新潟市中央区のホテルで常任幹事会を開き、知事選の対応を協議した。

 菊田氏によると、昨年末から独自候補の擁立を模索し、水面下で意中の人物に要請し交渉したがまとまらなかったという。このタイミングで擁立を断念した理由については「現職を相手に戦う選挙は甘いものではない。告示まで2カ月の段階でゼロからの擁立が現実的に可能かどうかを考えれば、いつまでも時間をかけてずるずると決められない立憲民主党であってはならない」と説明した。

 再選を目指し立候補を表明した花角英世知事から推薦要請があった場合の対応を問われると、個人的な見解と前置きし「原発に対する姿勢などを見ると推薦は難しいのではないか」と話した。その上で「政党に限らず無所属でも立候補の動きがあれば対応していく」との認識を示した。

 立憲県連は知事選を見据え、1期4年間の花角県政の検証を行ってきた。菊田氏は「花角カラーがどれだけ見えたかというと、コロナ禍のハンディもあったが、人口減少の課題や観光産業の誘致など当初期待されたような大きな花を咲かすところまでは至らなかった」と総括した。さらに、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について、花角氏は前回知事選で「県民に信を問う」と訴えていたにもかかわらず具体的手法を示していないと指摘した。

 知事選を巡っては現時点で花角氏以外に立候補表明はなく、自民党、連合新潟などは花角氏を支援する構え。【内田帆ノ佳】

毎日新聞 2022/2/27 09:14(最終更新 2/27 09:14) 728文字
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