ロシア軍が侵攻したウクライナで民間人の犠牲が拡大する中、両国は戦闘地域で住民避難のため一時的に交戦を停止する「人道回廊」を確保することで一致している。国際医療NGO「国境なき医師団」(MSF)は5日、「人道回廊」実施が延期になった東部ドネツク州マリウポリについて、「悲惨な状況」にあるとして退避の実現を訴えた。

 MSFはマリウポリに残っているスタッフの話として、市内では水の無料配布を求める人々の長い列ができていたと指摘。「水を確保するために雪や雨水を集めた」「複数の食料品店がミサイルで破壊された」などと現地の生活について説明した。

 MSFの担当者は「民間人が紛争地帯に取り残されることはあってはならない。暴力を恐れずに安全を確保できるようにすべきだ」と訴えた。【川上珠実】

毎日新聞 2022/3/6 00:52
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