プロ野球・オリックスは24日、10日に史上16人目となる完全試合達成を許したロッテの佐々木朗希と再び相まみえる。佐々木は17日の日本ハム戦でも8イニングを「完全投球」で降板しており、17イニング連続で一人の走者も許していない。リベンジを誓うオリックスナインは20歳右腕を本拠地・京セラドーム大阪でどう迎え撃つのか。

 10日の試合ではプロ野球新記録の13者連続を含む、計19三振を喫した。佐々木と同学年の紅林は「バケモンでした」と目を丸くした。連続三振を止めた六回の打席は「手からボールが離れる前に振るくらいのイメージ」で直球を打ち返したが、それでも詰まった中飛が精いっぱいだった。福田も「反応で打てるフォークではない」とお手上げ。通常、高めに来るフォークはあまり落ちないが、佐々木のフォークは高さに関係なくキレがあり、スピードも落差も空振りを取るには十分だった。オリックス打線はどちらの球種にも対応できず抑え込まれた。

 では、どう攻略するのか。10日の1番打者だった後藤は「相手はシンプルに攻めてくる。こちらも難しく考えず、よりシンプルに打ち返す」という。佐々木の投球は直球とフォークをストライクゾーンに投げ込んでくるシンプルな配球。前回対戦では直球とフォークが9割以上を占め、目先をそらすための外す球はなく力で勝負してきた。後藤は三振も覚悟した上で「あれもこれもはできない。追い込まれても速い球を打ち返す意識で準備する」と気合十分だ。

 昨季455打席で三振はわずか26と「最も三振しない打者」である吉田正も、10日は3三振と手玉に取られた。「直球と同じ軌道から落ちるのでフォークはチャンスが無いと思う」と割り切り、やはり直球に的を絞る。追い込まれてから直球とフォークの両方に対応するのは難しい。吉田正の安定したスイングであれば、早いカウントから比較的甘めの直球に的を絞ることで、チャンスは出てくる。

 佐々木は17イニング走者を出していないが、一人でも走者が出ればクイックモーションになる上に、足で揺さぶりをかけることもできる。久しぶりに走者を背負えば佐々木といえども、自分のペースで投げ続けることは難しくなる可能性はある。前回の対戦経験から「(佐々木の)一番良いときのイメージはできている」と福田。オリックス打線が昨季リーグ王者の意地をかけて、球界最高の右腕攻略に挑む。【潟見雄大】

毎日新聞 2022/4/23 17:00(最終更新 4/23 17:00) 993文字
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