沖縄が将来、日本の「避暑地」になる? 温暖化進行で本土がより暑くなる可能性
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/999971

2022年7月31日 10:00

 沖縄が将来、日本の「避暑地」になる? 沖縄気象台が沖縄と国内4都市の気温を比べたところ、8月の1~31日の最高気温を平均すると、大阪や福岡が、那覇や石垣島より0・5~1・9度高くなった。地球温暖化が進んだ2100年夏、北海道・札幌の最高気温が那覇を上回るという予測もある。暑いイメージがある沖縄だが、温暖化が進めば、本土のほうが暑い日が増える可能性がある。(学芸部・又吉嘉例)

 気温や降水量などの気象データについて過去30年間を平均した値を「平年値」といい、「平年並み」や「平年より高い(低い)」など、その時々の気象の評価基準として使われる。8月の日最高気温を1カ月間で平均した平年値(1991~2020年)は那覇31・8度、石垣島32度だったが、大阪は33・7度、福岡が32・5度と、それぞれ沖縄の2地点を上回った。

 本土が暑くなっている傾向は、最高気温が35度以上の「猛暑日」の年間発生日数にも現れている。平年値では大阪14・5日、福岡8・1日、東京4・8日に対し、那覇0・2日、石垣島0・1日だった。一方、最高気温が30度以上となる「真夏日」の日数は沖縄の2地点が多く、年間発生日数の平年値では那覇102・5日、石垣島121・7日に対し、大阪74・9日、福岡60・4日、東京52・1日だった。

 沖縄は年間を通しては、これら本土の各都市に比べて気温が高いが、夏場の大阪と福岡はいずれも日中、那覇や石垣島より暑くなることが普通になっている。

 「100年前の昔から沖縄より本土の気温が高いことはあったが、近年、その傾向がよりはっきりしてきた」。沖縄気象台地球環境・海洋課の地球温暖化情報官、佐藤大卓さんはそう指摘する。「東京や大阪、福岡は、那覇や石垣島に比べ大都市なので、都市化の影響による気温上昇も大きい。(都市の気温が周囲よりも高くなる)ヒートアイランド現象が起きている」。

 都市の建物や道路に使われているコンクリートやアスファルトは熱がこもりやすく、夜になっても気温が下がりにくい原因になる。都市に集中する車やエアコンの室外機、工場も熱を排出している。

さらに、本土の気温が沖縄を上回る気象について「将来もっと、しばしば見られる可能性がある」との考えを示した。理由は、陸と海の違いにあるという。「地球温暖化はすでに明らか。温暖化が進むと、海よりも陸の方が気温上昇が大きくなる。本土は海に囲まれている沖縄よりも気温が上がりやすい」と説明した。

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/2100weather/
 環境省は動画「2100年 未来の天気予報」をホームページで公開している。温暖化対策が不十分だった場合の未来の日本を予測し、ニュースの天気予報のように紹介している。各地の「8月21日」の最高気温は札幌40・5度、東京43・3度、大阪42・7度、福岡41・9度―本土はいずれも40度を超える一方、那覇は38・5度と唯一、気温が30度台の場所となっている。

 沖縄は将来、暑さを避けるために訪れる「避暑地」になるのか。佐藤さんは「ほかの都市より気温は低いとしても、個人的には今でも暑い沖縄がもっと暑くなるのだから、大変な温暖化に変わりはない」と否定。(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。