安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者の “減刑” を求める署名が止まる気配を見せない。

 7月15日に署名サイト「Change.org」上で開始され、検察庁長官宛てに山上容疑者の “減刑” を求める趣旨だが、理由として《過酷な生育歴》《本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間である事》があげられている。

 署名数は、7月31日に3000人を突破したかと思うと、8月1日には4500人を突破した。

「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の被害者の救済に尽力してきた『全国霊感商法対策弁護士連絡会』には、宗教2世たちから『山上容疑者の行為は許されないが、気持ちは痛いほどわかる』という声が殺到しています。

 山上徹也容疑者のものと見られるTwitterアカウントは7月19日に閉鎖されましたが、投稿を見ると、狂信的な犯罪者というより、冷静で頭がよい印象を受けます。それで、山上容疑者が育ってきた境遇や犯行の動機に関心が寄せられているのです」(社会部記者)

 SNSでは、獄中記の出版に期待する声もあがり始めた。

《普通に大学行けてたら、大企業に就職して、発明品の1つや2つ作りあげて、社会に貢献出来ていたかもしれない 獄中で手記など出版して、お金を稼いで、大学で学ばせてほしい気もしてきた》

《山上徹也のTwitter、そのうち手記として編集して出版されるのかな》

《山上徹也、手記でも書けば印税ガッポガポで一生安泰やろな》

《自伝(獄中記)は争奪戦といったレベルでは収まらぬだろう》

 加害者側の手記は、1997年に神戸連続児童殺傷事件を起こした元少年Aによる『絶歌』(2015年、太田出版)、2008年に秋葉原で無差別殺傷事件を起こした加藤智大元死刑囚による『解』(2012年、批評社)など、これまでいくつも出版され、物議をかもしてきた。

「7月26日に死刑が執行された加藤元死刑囚は、2012年7月から2014年8月までに4冊の手記を出版しています。1冊めの『解』と続編の『解+』には、母親に虐待された幼少期から事件にいたるまでが淡々と描かれています。

『絶歌』は2015年6月に出版されましたが、初版10万部はすぐに売り切れ、発行部数は25万部にのぼりました。『絶歌』というタイトルは加害男性が考えたものです。一方で、遺族に無断で出版を進めたことから、遺族側から猛反発を受けるなど、物議をかもしました」(同)

 SNSでは、山上容疑者の手記に期待しつつ、慎重な意見も上がっている。

《山上の獄中手記が出版されるとしたら、令和最大のベストセラーになるだろうね? 生い立ち、 #統一教会 の闇が背景となる犯行動機ついての国民的関心事を詳らかに語り文章として残すべきではあるけど、自分は犯人(編集部注:容疑者)なんかに課金したくない気持ちの方が強い》

 山上容疑者に関しては、事件当時の精神状態を調べる「鑑定留置」が7月25日から始まり、約4カ月間続くという。山上容疑者への関心が消えることはまだまだなさそうだ。

( SmartFLASH )
https://smart-flash.jp/sociopolitics/194170/1