【ソウル=甲原潤之介】韓国大統領府は15日、ニューヨークで尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と岸田文雄首相の会談を調整していると明らかにした。国連総会への参加にあわせ、元徴用工問題など日韓間の懸案について意思疎通を図る。

金泰孝(キム・テヒョ)国家安保室第1次長が記者団に「会談することで合意し、時間を調整中だ」と説明した。大統領府によると30分程度を想定しており、議題は決まっていないという。

松野博一官房長官は同日の記者会見で「現時点で何ら決まっていない」と話した。そのうえで「日韓、日米韓協力が今以上に重要なときはない。日韓関係改善のため韓国政府と緊密に協力する」と強調した。

尹政権は5月の発足以来、日本との関係改善に取り組む。元徴用工訴訟で日本企業の資産が現金化され実害が発生する事態を避けるため、解決策を検討している。日韓の企業が資金を出し、原告への賠償を肩代わりする案が浮上する。

韓国側は原告に理解を求めるため、日本にも自発的な資金支援や謝罪意思の表明など何らかの「誠意ある呼応」を求めている。

正式な日韓首脳会談は2019年12月を最後に開かれていない。首相と尹氏は22年6月にスペインで開いた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の場で面会し、初めて言葉を交わした。

日本経済新聞 2022年9月15日 18:34
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