植民地時代末期の朝鮮半島社会において、未成年未経験の少女たちが慰安所に連行され売春を強要された悲劇の
真相に関しては「日本軍が旧植民地で20万人の少女たちを強制連行してレイプハウスに監禁した」といった途方もない
ファンタジー説を持ち出さずとも、「養子縁組制度を悪用した人身取引説」で明快に説明できるのである。
この説は、悲劇の真相を親権者と業者と被害者の法定代理人の三者による隠蔽的「共謀」の結果として説明する。
おそらく少女たちは、極貧の小作人だった親の生活苦や借金返済の為、親に高利で金を貸し付けていたであろう地主
(法定代理人)の善意を装った狡猾極まりない斡旋の元、悪徳業者に養子縁組という形で身売りされたと考えられる。
この説は、何故慰安所に連行されたという被害の申告者が、未成年の少女ばかりなのかという疑問を明快に説明する。
というのも、当時における未成年者の養子縁組の成立要件は、親権者同士の合意と役所への届け出だけであり、
本人の同意は必要なかったからだ。
この説は、いわゆる河野談話にある、被害者の慰安所への連行に官憲が関与したとされる事例についても明快に説明する。
つまり現場の官憲は、この偽装的な人身取引を通常の養子縁組と誤認・誤信した結果、被害者を加害者に引き渡してしまったのである。
この説は、女性たちが違法な徴募被害に遭うのを防ぐ為に軍が行っていたチェックを悪徳業者がどのようにすり抜けたのかを明快に説明する。
まず、ある女性が慰安婦になる為には、本人による役所への申告と、五種類の書類の提出と、軍の面談による最終的な意思確認という
プロセスが必要だったが、加害者は被害者を「慰安婦志望者」としてではなく、自分の(偽装的な)家族として慰安所に連れ込むことで、
これらのチェックを堂々と回避することが出来たのである。
そして旧民法は、養親子が互いに扶養する権利義務のあることを定めており、加害者はこの規定を盾に、被害者を雇用契約無しに慰安所で
「ただ働き」させることが出来たのである。
この説の裏付けとして、韓国の元慰安婦の証言が挙げられる。彼女によれば、それまで悪徳業者から売春を強要されていたにも関わらず、
二十歳になるや突然慰安所から追い出されたという。この証言内容は日本軍の性奴隷説では理解しがたいものだが、養子縁組説なら、
少女が成人年齢に達した結果、悪徳業者が彼女を慰安所で「ただ働き」させる法的な根拠を失った為と明快に説明できるのである。
さらに被害者達の証言を読むと、彼女達は慰安所内で他の慰安婦達との交流が全く無かったような印象を与えるが、このことは被害者が
慰安所内に設けられた業者の家族の為の部屋に隔離されていた(つまり慰安婦の身分ではなかった)可能性を示唆している。
この説は、強制連行派が唱える「悪徳業者による誘拐的な就労詐欺説」の真相でもある。何故ならこの説は、もし悪徳業者がある日突然
未成年の少女を騙して連れ去ったならば当然騒ぎ立てるであろう家族たちが例外なく沈黙し続けた理由を明快に説明するからだ。
就労詐欺説に関連して、被害者の親の中には、「大金を稼げる仕事だ」という悪徳業者の甘言に騙されたと弁明する者もいるが、これも疑問がある。
何故なら、容姿端麗でもなく学歴も特別な技能もない少女でも大金を稼げる仕事とは売春以外に具体的にどのような仕事だと思ったのか
という質問に説得力のある回答をした者は彼らの内誰一人としていないからであり、また業者の説明を本当に信じたのなら、特別な理由のない限り
自分の妻にその仕事をさせたであろうから。