韓国のソウル中央地裁が、元慰安婦らへの賠償に向けて、日本政府に韓国国内にある財産の目録を開示するよう求めていた決定を取り消した。同地裁は、日本政府に元慰安婦ら12人への賠償を命じた確定判決に基づいて、昨年6月にこの決定を出していた。

 原告側代理人らが19日に明らかにした。決定の取り消しは15日付で、原告側は即時抗告する方針だ。

 賠償を命じる判決について日本政府は、国際法上の「主権免除」を理由に、応じない方針を示している。原告側が日本政府の財産を差し押さえて賠償に充てることを検討して開示を求める手続きを申し立て、同地裁が昨年6月に開示を命じる決定をしていた。

 今回の決定取り消しについて原告側は「(決定の通知を送っても)日本政府側の受け取らない意思が固いため、裁判官が無意味だと判断したのではないか」との見方を示している。(ソウル=稲田清英)

朝日新聞 2022/9/19 18:10
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ9M5RM5Q9MUHBI021.html?ref=tw_asahi