もちろんその決断を下すまでに彼女に多くの葛藤があったのは想像に易い。
それでも彼女がその歩みを止めなかったのは、ひとえにエルダーネイティブの存在があったからこそ。
エルダーネイティブの存在が彼女の心の拠り所になり、愚直なまでに前へ突き進むことができた。
フッ……一途なレイヴンらしい、素直でカワイイじゃないか。

ああ、だからこそ。

何故エルダーネイティブがレイヴンではなく、イヴというポッと出を選んだのか、理解に苦しむ。
使命に囚われ真実と向き合えない哀れな操り人形に何ができるというのだ。
奴の同僚の天使を正しく“人類の味方”に変えてやったというのに、それすらも理解せずただ一方的な敵意を向けるだけ……。本来なら感謝されることだというのになぁ?
ハァ……、まったく。エルダーネイティブは何故アレを選んだのか。
その選択だけは間違っていたと言わざるを得ない。