民間委託の闇

垂水のアウトレットモール、マリンピアの中に「魚の学校」(神戸市立水産体験学習館)という施設がある。
施設の目的は「漁業に関する体験学習を通じ、漁業者と市民との交流を図ることにより、相互理解を深め、
漁業の振興に資するとともに、
市民文化の向上、健康の増進及び憩いと安らぎの場の提供を図ること」(神戸市立水産体験学習館条例第1条)
となっている。

 この施設、今から20年も前に出来たようだが、正直、市民も誰も知らない
(知る由もない)施設だった。
ところが、昨年から、小さな水族館など民間ならではの市民目線に富んだ面白い工夫、取り組みが多くのメディア
にも取り上げられ、コロナ禍であるにもかかわらず、多くの来場者を集めるようになった。施設開設から20数年が経過し、
ようやく施設目的が実態に適うようになったわけであるが、この様変わりした理由は、昨年4月から運営主体が
変わったからに他ならない。

 残念ながら2023年からマリンピア自体はアウトレットモールがリニューアル工事に入るため、閉鎖されることになり、
魚の学校も周囲全体にフェンスが出来、駐車場確保もままならない状況で営業存続が危ぶまれているそうだ。

 問題なのは、公募を通じて選定した運営主体に2021年から2026までの5年間の期間の運営業務を託した責任が
ある市の担当部署の不誠実極まりない姿勢で、魚の学校の運営存続に大きな影響を及ぶアウトレットモールリニューアル
工事期間の運営主体側の対応、相談にもまともに取り合おうともせず、とにかく営業を続けろの一点張り。

 そもそも公募時に既にアウトレットモールリニューアル工事計画のことも担当部署は知っていた可能性もあり、
ようやく市民に親しまれるようになった運営主体による営業を断念させることを初めから狙っていたと勘ぐって
しまいたくなる。
本当に知らなかったとしたらただのバカだ。

 この市民の感覚からは遥かにかけ離れた市の施設運営。神戸市は民間委託をご都合主義で振り回すのはもう
いい加減にした方がいい。何より市民のためにならないと言うことが分からないのか。市民から見えないところで
公金を間接的にくすねるのはもう辞めにした方が良いと思う。こっちの方がかつて2chを騒がせた労働組合問題
より余程大きいと思いますが。