0001きつねうどん ★
2023/05/28(日) 19:18:17.80ID:orZvK0be海外で依然として人気の日本食。農林水産省の調査によると、世界の日本食レストラン数は、’21年の時点で約15万9000店にも上っている。
「世界の主要都市で、日本料理店のレベルが一番高いのはニューヨークです。その次はトロントと言っていいんじゃないでしょうか」
そう語るのは、カナダのトロントで「Zen Japanese Restaurant」をはじめ3軒の日本料理店を展開する「ZENジャパングループ」代表で寿司職人の柏原清一さんだ。
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柏原清一さんはカナダで日本料理人として腕を振るって40年。「海外で日本と同じ本物の和食を提供することは、日本食に携わる者の使命」と話す
柏原さんは’83年に25歳でカナダに渡り、寿司職人としてオタワで3年ほど働いた後、トロントへ。日本食レストランでキャリアを積み、’00年にトロントのスカバロー地区で「Zen Japanese Restaurant」を日本人経営者から引き継ぎ、独立した。
「カナダに来た当初は、手に入る魚は冷凍のハマチくらいのものでした。それが時代と共に流通業が発展し、トロントにも日本から旬の魚が入ってくるようになった。それを積極的に仕入れて提供したのはZENが最初だと思います」
同店は’13年、「なだ万」などで腕を磨いた後にトロント日本総領事館のシェフを務めた佐藤健志さんを総料理長に迎えている。’15年には、中国人富裕層が多く住むトロント郊外のマーカム市に移転。寿司と割烹の本格的な日本料理店としてリニューアルオープンした。
「佐藤さんは料理が心底好きで、非常に真面目。移転する前の店ではカナダ人向けにチキンやビーフの照り焼きも提供していたんですが、佐藤さんに『僕は肉を焼くためにZENに来たんじゃないです』と言われてしまいました。だからマーカムの店には彼が腕を生かせる厨房をつくり、割烹や会席料理を出すことにしたんです。
期待通り、彼は存分に腕を振るってくれました。おかげでZENは、本格的な日本料理店として成長できたと思っています」
その佐藤さんは’22年、総料理長を辞めて独立。「ZENジャパングループ」の直営店として、トロント市内に高級割烹料理店「KAPPO SATO」を開業したのである。
「佐藤さんは出会った時から『海外で自分の店を持つのが夢』と話していました。それを承知でうちの総料理長に迎えたんです。彼がいよいよ『店を出したい』と言ってきたのは42歳になった頃。『それなら俺も手伝うよ』と、開店資金を含めサポートしました。
割烹なので、店内はカウンター席のみ。そういうスタイルの店は、トロントでは初めてです。今はうちより忙しい。大変だろうけど、楽しんでやっています。その姿を見ると、自分も嬉しくなります」
多くは、中国人や韓国人のオーナーが日本食を名乗って儲けることを第一に商売していますね…
海外で自分の店を持つ――柏原さん自身も、そんな夢を胸にカナダに渡ったのだろうか。
柏原さんは横浜の調理師専門学校を卒業後、地元の寿司屋で修業を積んだ。米国シカゴで駐在員をしていた父親の影響もあり、「海外に行って寿司を握りたい」との思いが漠然とあったという。
「たまたま、オタワで寿司屋を始めるという父親の友人から『寿司職人を探している』と連絡があり、そこで使ってもらうことになってカナダに来たんです。当初は3年ほど働いて日本に帰るつもりでした。
でもそのうちに、きちんと休みが取れて自分の時間が持てるカナダの生活は悪くないと思うようになって。ただ、給料は本当に安かった。オタワで結婚し、もっと稼がなければと考えて都会のトロントに拠点を移すことにしたんです」
つづき
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