フィギュアスケートでまた採点基準変更か 過去には日本勢が不利になることも 12/9(木) 16:15配信 NEWSポストセブン
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 12月7日、羽生結弦がまたひとつ年を重ねた。オリンピック2連覇という偉業を達成しながら、人類史上初の4回転アクセル成功までの道を模索し続ける27才は、残りの今シーズンをどう締めくくろうとしているのか。

 新型コロナウイルスの新たな変異株がスケート界も襲おうとしているなか、彼に新たな試練が立ちはだかりそうだ。ロシアスケート連盟が国際スケート連盟(ISU)に対して、フィギュアスケートの採点ルールの変更を提案しているというのだ。

 フィギュアスケートの採点法は、大きく「技術点」と「演技構成点」の2つからなっている。技術点はジャンプなど技の難易度に応じた「基礎点」と、技の出来栄えによって決まる「出来栄え点(GOE)」の合計で決まる。一方、「演技構成点」は「スケーティングスキル」「つなぎ」「パフォーマンス」「構成」「音楽の解釈」の5つの要素によって評価されるもので、「5コンポーネンツ」と称される。

「ロシアの提案は、『演技構成点』の変更で、この5つのうちの『つなぎ』と『音楽の解釈』の2つをなくし、評価の基準となる構成要素を3つに減らすというものです。演技構成点のなかでも、特にこの2つは演技の“芸術性”を担保する要素。もしこの案が採用されれば、フィギュアスケートの採点がより技の難易度を重視する方向に向かうことになる」(フィギュアスケート関係者)

 その内容は大きく結果を左右するものだが、ISUは改正に前向きだという。

 振り返れば、フィギュアスケートは、これまでに何度も採点基準が変更されてきた。元フィギュアスケーターの渡部絵美さんがいう。

「ロシア案が採用されるかどうかはわかりませんが、自国の選手をいかに優位にさせるか、同時にほかの国の強豪選手の成績をいかに下げるかというのは、ルール改正の流れのなかで常に行われてきたことです。当然ながら、そのたびに恩恵を受ける選手もいれば、不利になる選手も出てきました」