羽生選手、現地ファンも引きつける人柄 中国高官が異例対応も 2/3(木) 10:57配信 西日本新聞
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 【北京・坂本信博】4日開幕の北京冬季五輪でフィギュアスケート男子に出場する羽生結弦選手(27)が中国で人気を集めている。会員制交流サイト(SNS)で応援投稿が相次ぎ、関連書籍の中国語訳も出版された。普段は対日強硬姿勢が目立つ中国外務省の報道官も日本語で応援宣言をする熱狂ぶりだ。94年ぶりの五輪3連覇を狙う実力に加え、真摯(しんし)な姿勢や人柄も現地のファンを引きつけている。

 「羽生結弦 王者之路(王者のメソッド)」。北京市内の書店で今、羽生選手のりりしい顔が表紙を飾る書籍が平積みされている。スポーツライターの野口美惠さんが羽生選手の軌跡を描いて2016年に出版したノンフィクションの中国語版で、1月下旬に出版されたばかり。出版社の関係者は「五輪に間に合わせるために何とか初版3千冊を刷り上げた」と明かす。

 中国のSNSでは選手の人気投票が繰り広げられている。「Yuzu」「柚子(ヨウヅ)」などの愛称がある羽生選手は中国選手と互角か、時には彼らをしのぐ位置にランクインする人気ぶりだ。

 短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では、「羽生結弦が好きな理由」というハッシュタグ(検索目印)がトレンド入りし閲覧回数が1億2千万回を超えた。

 「羽生結弦選手のファンの皆さまへ。お任せください」。中国の華春瑩外務次官補は外務省報道局長だった昨年10月、ツイッターに日本語で投稿した。中国が新型コロナウイルス対策で海外からの観客受け入れを断念し、日本のファンからインターネット上で「応援は中国の皆さんに託す」という声が上がったことを受けての異例の対応だった。