サッカー人生初の挫折を経験した凪は向上心が芽生え、怜王を捨てる形で潔とチームを組む。当然、この決断に怜王は激怒。恐らく“凪の一番の理解者”を自認しており、「かなりの面倒くさがり屋な凪を周囲が受け入れない」と高をくくっていたのかもしれない。だからなのか、凪の予想外の行動を潔が受け入れたことは青天の霹靂だったことだろう。怜王は取り乱すことなく「…好きにしろよ」と素っ気ない返事をしたが、愛情ゆえに「みっともない姿を見せたくない」というプライドがそうさせたのかもしれない。

 凪に捨てられ、見限られ、それでも凪と一緒にプレイしたいという思いから、覚醒を遂げた怜王。自身の重すぎる愛に勝手に振り回されている印象ではあるが、一人相撲しながらも成長する姿は他のキャラクターにない、面白い物語だ。