※3/19(日) 7:15配信
ITmedia ビジネスオンライン

 ロッテホールディングス(ロッテHD)傘下のロッテリアが運営するハンバーガーチェーン「ロッテリア」のゼンショーグループ(以下ゼンショー)への売却が決まった。

 「『ロッテリア』って久しぶりに聞いた」「しばらく行ってない」──。そんな人も多いのではないか。無理もない。店が少ないのだ。ロッテリアの店舗数は、ピーク時の524店から大幅に減り、今や358店。マクドナルドの「8分の1」(2月末時点で2960店舗)、モスバーガーの「3分の1」(2月末時点で1274店舗)にも満たない。

 近所に店がないから行かない。客が来ないから閉店せざるを得ない。「負のサイクル」の繰り返しで、競合との差は大きく開いた。かつては「マクドナルド」に次ぐ存在だったはず。凋落したのはなぜか。マクドナルドばかり見ていたからだ。

強すぎたマクドナルドへの対抗意識
 競合であるマクドナルドへの対抗意識が強すぎた。マクドナルドの銀座三越出店に対抗し、ロッテリアは1972年、日本橋高島屋に1号店を出店。80年代には、マクドナルドのセットメニュー「サンキューセット」(390円)に対抗し、「サンパチトリオ」(380円)を発売した。その後、2社は激烈な価格競争に突入する。コストがマクドナルドより高いロッテリアにとって、参入してはいけない戦いだった。

漁夫の利を得た「モスバーガー」
 低価格化は、ハンバーガーを敬遠していた中高年層を取り込み、市場の拡大をもたらした。漁夫の利を得たのが、モスバーガーだ。

 ハンバーガーに抵抗感がなくなった中高年層は、価格競争に「参戦」しなかったモスバーガーにも訪れるように。「少し高いけどおいしい」。味が評判になり、認知度が向上する。店舗数がじわじわと増える。87年には「瞬間風速」だがマクドナルドを超えた。

 一方、価格競争で疲弊したロッテリアは業績が振るわず、衰退していく。価格が高いわけではない。味が悪いわけでもない。「シェーキ」は大変な人気だったし、「絶品チーズバーガー」などヒット商品もある。だが、マクドナルドほど安くないし、モスバーガーほど高品質でもない。

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