長野県中野市で警察官ら4人が死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された青木政憲容疑者(31)は、自宅近くで果樹園を経営し、知人の間では両親との仲の良さが知られていた。一方で、猟銃免許の取得をいぶかしむ人もいた。
 複数の関係者によると、青木容疑者は10年ほど前に農園を引き継ぎ、シャインマスカットや桃などを栽培する果樹園「マサノリ園」を経営。両親も手伝っていたといい、ホームページでは「13代続く農園。家族一丸となって生産しています」とアピールしていた。2019年ごろからは軽井沢や中野市内でイタリアンジェラート店も始めた。
 親子を知る男性によると、青木容疑者は同市議会の議長を務める父親の正道さん(57)と仲が良く、正道さんは以前、「店舗は息子が経営するんだ」とうれしそうに話していた。ジェラート店の取引先に勤める女性によると、母親も青木容疑者と一緒に働けることを喜んでいた。
 一方、別の知人らは青木容疑者の人柄について、「会ってもあいさつをしない」「コミュニケーションを取るのは得意ではない感じだった」と振り返った。
 数年前に猟銃免許を取得したといい、地元の猟友会に所属。知人男性は正道さんから「息子が猟銃所持の免許を取った」と聞かされ、「何で取る必要があるのか」と疑問に思ったという。