>>530
2時10分、15分、30分…

時計の秒針が動く度、僕はますます焦っていった。

こうする為にマークを招いた訳では無い。
僕は彼に言いたいことが沢山あった。
天使気は蒸し暑く、首が故障した扇風機は回転する度にガタガタと音を出した。

僕はその騒音に自分の声が掻き消されるよう願った。

「マーク」

彼は答えなかった。

「うちの父親は家を出た。」

打ち明ける言葉は喉を急騰した。

「母さんはそれから毎日仕事してる。最近足がかなり痛いみたいで、病院に行ったら浮腫だって。」
「放置すれば大丈夫だって言ってるけど、なんだか更に酷くなってるみたいで。お前も知ってるだろ、俺がバイトしてるの。」
「焼肉店にコンビニ、新聞配達まで切迫してやっても全然良くならないんだ。」
「俺、今どうやって生きてるんだろう。これから一体どうやって生きていくんだろう。」

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