オクスフォード大学の遺伝学研究チーム・クリス・テイラースミス (Chris Tyler-Smith)は、日本人 男性のY染色体の一塩基多型(SNPs)および縦列反復数(STRs)を解析した結果、天皇家のハプロタイプは(D-CTS8093)に属する系統であると結論づけた。


これは藤原氏(O-CTS10145)と並んで日本でもっとも多く子孫を残した系統にあたる。

研究チームはサンプル採取と解析の結果、CTS8093の下流に属する系統から夥しく人口の増加が見られ、現在の日本人男性の37%がこの系統に属していることに注目し研究を進めてきた。

このCTS8093は、出アフリカを果たした直後の系統ハプログループDに属し、その下流にあたるD1bは日本列島以外では検出されない古代型の特殊なY染色体である。

研究チームはこの特有のY染色体の拡散の原因を作った人物は、日本を統治した国家元首・天皇家であると結論づけている。

この研究を主導したクリス・テイラースミスは、日本列島で長期間にわたって特定のY染色体を持つ人々が広がった理由として、

この島嶼地域において上流階級は一夫多妻が一般的であり、その頂点に 君臨する天皇は、神話を根拠として統治機構を完成させ、代々男系男子の子孫であることを絶対条件として皇位を継承してきた。

さらに日本列島は、外敵の侵入を防ぐのに都合よく、歴史的に見て他の民族に支配された経験がない。

あらゆる面で、古代の系統を温存するのに優れた環境であったのではないかと述べている。