鈴鹿焼きは、三重県鈴鹿市で作られる陶器で、赤土を用いて制作されます。鈴鹿市は、かつて伊勢神宮の神官たちが暮らしていた土地で、伝統的な陶芸が盛んでした。鈴鹿焼きは、その伝統的な陶芸を受け継ぐ形で、奈良時代から続いているとされています。

鈴鹿焼きの特徴は、独特の形状や彩色、質感にあります。器や花器、食器などが主な製品で、赤土による素朴な風合いや、濃淡のある黒や茶色の彩色が施されています。また、割れにくく、耐熱性に優れているため、日常的に使いやすい点も魅力的です。

鈴鹿焼きは、伊勢神宮の式年遷宮や、世界遺産に登録されている熊野古道の伝統行事など、神事や儀式に使われることもあります。近年では、鈴鹿市内の陶芸家や窯元が、新しいデザインや技法を取り入れた鈴鹿焼きを制作し、多くの人々に愛される工芸品の一つとなっています。