解体費が当初見込みの3倍に 名建築として保存求める声残る岐阜県羽島市の旧本庁舎めぐり市議会に波紋

Yahoo!ニュース
12/13(水) 7:30

 しかし、ここにきて解体工事費が4.7億円と、当初示されていた額の3倍近くに膨れ上がることが分かり、開会中の市議会12月定例会でも波紋が広がっている。

 市民や一部議員からは「話が違い過ぎる。解体方針は白紙に戻して再検討すべきだ」との声が上がっている。

12月議会の初日に追加議案で4.7億円の解体費
 旧本庁舎の解体について、市は2022年1月に開いた「旧庁舎あり方検討委員会」で、解体工事費の見積もり額を約1億7630万円と提示していた。

自民系にも解体反対の議員「継続審議を」
 定数18の羽島市議会では、自民系が2つの会派に分かれており、最大会派で過半数の8議席を占める「自民清和会」がこれまで解体方針を支持してきた。一方、もう一つの自民系会派「自民クラブ」の3人は解体反対の立場だ。

 自民クラブの粟津明議員は「今まで公表してきた数値や金額は何を根拠に算定してきたのか。正確なデータを再評価して議会でしっかり検討し、市民に公表すべきだ」と指摘。「肝心な議案を議会初日に追加で出すのは議会軽視でもあり、賛成・反対以前の問題。せめて継続審議にすべきだ」とも主張し、これまで中立的な姿勢だった他会派の議員にも同調を求めている。

 日本建築学会東海支部からは文化財として再評価するための学術調査を求める要望書が9月に出されているが、市側はいまだ正式に回答をしていない。

 なぜこれほど市は頑なに対話を拒み、「解体ありき」で突き進むのか。筆者は松井聡市長に直接の取材を申し込んだが、拒否されている。