静岡県内大手「採用活動厳しく」 25年春新卒 大都市圏と競合背景に(静岡新聞DIGITAL)

就職支援財団(静岡市)が静岡県内で行った2025年春の新卒採用調査によると、大手企業ほど人材確保が厳しくなったと感じている実態が明らかになった。東京を中心とした大都市圏の企業と競合する傾向が強まっていることが背景にあるとみられる。

学生優位の売り手市場を受け、大都市圏では人材確保に先手を打とうと選考が早期化している。本県学生も就職を機に首都圏などへの流出に拍車がかかっていて、県内企業が影響を受けている状況が見て取れる。

調査では今年の採用活動が「厳しくなった」とする回答が全体で67・5%だったのに対し、従業員が300人以上の企業は79・1%に上った。内定者数が前年に比べて「減少した」が全体で41・5%、300人以上の企業は52・6%と苦戦ぶりが際立った。

財団は対策として、オンラインの有効活用とインターンシップ(就業体験)開催を挙げる。新型コロナウイルス禍の収束で選考を対面のみに戻す企業が増えているといい、「オンラインとの併用で選考フローを見直してみては」と提案。インターンシップに関しては、過去の調査で就職先を仕事内容で選択する学生が最も多かったことから「学生目線の実のあるインターンシップが採用の成功と早期離職予防につながる」と指摘する。