二通目の『怪文書』

平成四年に東洋大学法学部を卒業し、現在は故郷の北海道札幌市に戻りサラ
リーマンをしている者です。
諸般の事情により、氏名等の詳細はご容赦ください。
田久保眞紀の卒業証書なるものの真実をお知らせします。
あれは彼女と同期入学で平成四年三月に卒業した法学部生が作ったニセ物です。
彼女は入学して最初の一年間は他の学生と同じように講義を受けていたけれど、
二年に進級した後はほとんど大学には顔を見せず、バイクや四輪で遊び歩く毎日
だったと記憶しています。
ほとんどの同期の学生は四年で卒業するにも関わらず、彼女は単位不足で三年に
進級できず、入学から四年経った時点で二年生を三回繰り返していました。
ただし東洋大学では同じ学年は二回までしか在籍できないはずで、彼女の三回目の二
年生の時は一年間休学していたのではないかと思います。

入学から四年たち、真面目に勉強していた他の学生が卒業式に出席する際、「田久
保だけが卒業できないのはかわいそうだ、お遊びで卒業証書を作ってやろう」とい
う事にになり、卒業生の有志がそれらしい体裁で作ったものです。
ただし、自分たちが持っている本物の卒業証書と同じ造りでは犯罪（有印私文書偽
造）になるため、敢えて誰が見てもパロディだとわかる忘年会の余興の出し物のよ
うな造りにしたそうです。（本物と違い氏名や生年月日を別書きではなく本文の
中に書く等）
学長や学部長の押印も朱肉をマッチ棒や定規を使って本物を見ながらそれらしく
作ったものです。
実際に作った当人は「我ながら素晴らしい出来栄えだ」と自慢していたそうです。
いつかは卒業できるだろうと思っていた学生は皆無でしたが、中退ではなく除籍処
分とは驚きでした。除籍というのは自主退学と違い、大学による懲戒処分です。

このニセの卒業証書は、居酒屋での飲み会の席上、余興として本当の卒業式をまね
てうやうやしく行われ、彼女は恥ずかしい素振りも見せず、満面の笑みを浮かべて受
け取っていたと後になって聞きました。
彼女はこの卒業証書なるものを提出するとのことですが…
の判断をすることはなく、発行元とされる東洋大学に確認を求め…
すから、いっそのこと彼女が自分で持ち込めば即座にニセ物…
ニセ物だとバレると再選はありえないため、何とかして卒業証書…
まま、やり直し選挙に持ち込みたいという彼女の下心がありあり…
入学から四年経ち、五年目になっても三年生への進級への目処が立たないこと確定…
したため、大学の基準により年度末の三月三十一日で除籍処分になりました。
こんな下劣な人物にもてあそばれた伊東市は本当にお気の毒ですが、私自身も若
い頃の一時期とは言え同じ空間に存在していたことが恥ずかしくてなりません。