自閉スペクトラム症(ASD)*1と統合失調症(SCZ)*2は、DSM-5*3により、異なる疾患として区別されているが、最近の研究は、これらの疾患の病態が重複している可能性を示唆している。しかしながら、詳細は明らかでない。
本研究では、これまでGWAS *4により同定されたASDにおける遺伝子変異とSCZにおける一塩基多型(SNP)*5と比較するためにメタ解析を行った結果、多くの遺伝子(?75%)がASDとSCZの両方に連鎖することを見出した。
さらに、それぞれの疾患から樹立したIPS細胞由来の神経細胞を比較解析したところ、神経系への分化初期に見られた2つの異なる表現型が、時間とともに、シナプスの機能低下を特徴とした類似の表現型を呈することを観察した。
これらの結果は、ASDとSCZ病態が重複するという概念を支持している。