水をかけて発生した爆発事故の原因・反応・危険性
原因
テトラクロロシラン(SiCl₄)残留物に対し、水をかけて清掃を行ったことで、急激な加水分解反応が発生した。
科学反応
SiCl₄は水と瞬時に反応し、以下の反応を起こす。
SiCl₄ + 2H₂O → SiO₂ + 4HCl
この反応は強い発熱を伴い、同時に大量の塩化水素(HCl)ガスと微粒子状の二酸化ケイ素(白煙)を発生させる。
爆発状況の正体
反応により急激にガスが発生し、容器・配管・閉空間内の内圧が瞬間的に上昇したことで、破裂・噴出が起き、爆発音を伴った。
危険性
発生したHClガスは強い腐食性と刺激性を持ち、吸入すると呼吸器障害を引き起こす。
皮膚や眼に接触すると化学熱傷や失明の危険がある。
水を追加投入すると反応が連鎖的に進行し、二次災害を招く可能性が高い。
結論
本事故は燃焼爆発ではなく、SiCl₄の水との急激な加水分解による圧力破裂事故であり、SiCl₄周辺での水洗清掃は厳禁である。