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ウクライナ侵攻は長期化の見通し ロシアは「勝っても負けても没落」と専門家が予測
https://dot.asahi.com/aera/2022052500078.html?page=1
 ソ連崩壊の時点で140万人だったロシア陸軍は28万人(陸上自衛隊の2倍)に減り、別組織の空挺(くうてい)軍と海軍歩兵を加えて地上戦兵力は36万人。ウクライナには陸軍15万人が侵攻、分離派民兵4万人が協力している。他方ウクライナ陸軍は12万5千人だが、空挺軍、海軍歩兵、国家防衛隊、国境警備隊を加えると25万人余だ。

 もしロシアが現在の支配地域を確保できても、優勢のウクライナが領土の割譲を認めて停戦する可能性は低く戦争は長期化するだろう。万一ロシアがウクライナ全土を制圧できてもウクライナ兵は隣国に逃れ、その一部は難民キャンプを拠点にウクライナに出没しゲリラ活動を続け、ロシアは莫大(ばくだい)な戦費を投じて戦い続けなければならない。国内総生産(GDP)では韓国に次ぎ世界の11位であるロシアは今回の戦争で勝っても負けても没落し、近い将来再び近隣諸国に侵攻する悪行を繰り返す余力も戦意も持たないのではないかと思われる。(軍事ジャーナリスト・田岡俊次)
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防衛費の増額は本当に必要か? 「巨費を投じても効果は乏しい」専門家は否定的
https://dot.asahi.com/aera/2022060900031.html?page=1
 ロシアのウクライナ侵攻に恐怖感を持ち、「北の守りの強化」を言う人もいるが、ウクライナで苦戦するロシア軍が二正面作戦をする公算はゼロだ。ロシアの東部軍管区はシベリア中央部バイカル湖から日本海岸まで、日本の20倍に近い700万平方キロを担当しているが、兵員は8万人で自衛隊の3分の1。その一部はウクライナ戦線に投入されている。弱みを見せないよう、日本海で演習をして見せている。
 中国がロシアの愚行をまねて台湾を攻撃することも起きそうにない。中国の輸入相手の第1位は台湾で半導体の供給を依存し、台湾の輸出の44%は大陸向け、台湾の海外投資の6割以上は大陸にあると言われ、台湾人約100万人が中国で経営者、技術者などとして勤務している。中台の経済関係は一体化し、中国が台湾に攻め込めば自分の足を打つ結果になる。