ジャニーズ事務所は7日、創業者のジャニー喜多川氏（2019年死去）による性加害問題で初めて記者会見を開き、藤島ジュリー景子社長が5日付で辞任したと発表した。ジャニー氏の性加害を認め、謝罪。後任の社長には所属タレントの東山紀之氏（56）が就任した。

　藤島氏は冒頭、「心よりおわび申し上げます」と謝罪。「被害者に対する補償を責任を持って全うするため」として、当面の間、代表取締役にとどまる。東山氏は「人生を懸けてこの問題に取り組んでいく」と語った。

　事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」は8月下旬、ジャニー氏が1970年代前半から2010年代半ばまで、多数の所属タレントに「長期間かつ広範に性加害を繰り返していた」と認定。これを受けて行われた会見には新聞、テレビのほか、多くの記者が訪れた。

■特別チームは性加害を黙認していたメディアの責任も言及

「ヒトラー株式会社やスターリン株式会社はない。（ジャニーズ事務の名前を変えないのは）自覚が足りない」

　NHKや民放が生中継した会見で目立ったのは、報道陣からの厳しい質問だ。

　SNS上でも、《記者がめちゃくちゃ厳しい事を言ってるな。当事者がもうこの世にいないのに》《やたらとメディアが正義を強調していて嫌な感じ》といった声が出ていたが、それはそうだろう。「外部専門家による再発防止特別チーム」は性加害を知っていて黙認したメディアの責任についても言及していたからだ。

　さらに言えば、故人であるジャニー喜多川氏の性加害問題を追及できるのであれば、文化庁が東京地裁に過料を科すよう求めている旧統一教会（現・世界平和統一家庭連合）と安倍元首相の関係だって問うことができるはずだ。

　安倍氏は旧統一教会の友好団体が開いたイベントにビデオメッセージを送るなど、近しい関係にあったことが取りざたされており、野党側は安倍氏が旧統一教会と自民党を結ぶ「キーパーソンだったのではないか」と訴えている。

　ところが、岸田文雄首相（66）が「（安倍氏が）お亡くなりになった今、確認するには限界がある」と答えたことを受け、新聞、テレビなど大手メディアは今も静観したままだ。SNS上でも《安倍元首相と旧統一教会の関係にも切り込んで》《故人だからというのは理由にならないのは分かっているよね》との声も。

「水に落ちた犬は叩け」とばかりのメディアの姿勢は、“二枚舌”と指摘されてもやむを得ない。




9/7(木) 16:40配信　　　日刊ゲンダイDIGITAL
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