松本博文

将棋ライター
4/1(火) 22:51

 将棋界が新年度を迎えた2025年4月1日。日本将棋連盟から棋士、女流棋士の昇段・昇級などが発表されました。

 近年は「株主優待名人」として知られる桐谷広人七段(75歳)は引退棋士昇段規定により、4月1日付で八段に昇段しました。





桐谷青年を救った、大山名人の言葉

 桐谷新八段は近年、株主優待券を使って生活する個人投資家として知られています。

 一方で「株主優待名人の桐谷さん」が将棋の引退棋士だと知っている人は、意外なほどに少ないというのが、将棋ライターとしての筆者の実感です。

 桐谷新八段は1949年10月15日生まれで、広島県竹原市出身。高校卒業後、名棋士・升田幸三九段(元名人、1918-91)の門下として奨励会に入会し、棋士を目指しました。

 将棋界では四段になると棋士として認められます。しかし桐谷青年は初段のときに成績が伸び悩み、体調も崩して胃潰瘍となります。

 郷里に戻り、失意の底にあった桐谷青年を救ったのは、当時棋界の絶対王者として君臨していた大山康晴名人(のちに15世名人、1923-92)の一言でした。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/07d6fdec838e66cd5f4a18feb9c7699f50a2e6dd
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