吉田 僕らが子どものころは、自分たちの”世界という認識”は、“近所と学校と公園と原っぱ”程度だったと思うのです。

 ですが、いまの子どもたちは情報獲得手段が豊富になったことで、見たい・見たくないにかかわらず、見える世界が格段に広がりました。
当時の僕らとは比べ物にならないスケールなんです。さらに、非常に残念なことですが、世界では紛争がなくなったことがありません。
我々はその気さえあれば、そんな戦争の映像も自分から望んで垣間見ることもできてしまう時代です。

 そして、そういう時代を生きてきたいまの10~20代の人たちは、僕らの時代と比較したら、数十倍もの情報に触れた鋭い感覚や現実感を持っているのです。
それは、もう僕らの言う“大人”の感覚と変わりません。

 そういった時代的な背景があるので、“大人向けの『FF』”という感覚自体が、我々のような古い世代の認識であり
おそらくいまの中高生は『FF16』の物語を問題なく理解できると考えています。
幼児向けというジャンルは別として、子供向け、大人向け、という区分けは存在しないと思っているのです。

 だからこそ前廣には、“かつてあったかもしれない現実世界の出来事”としても受け入れてもらえるような、リアルな描写をお願いしました。

高井 嘘をつかない、極端なご都合主義をやらない…これらを守らないと、誰も納得させられない時代になっているのです。