今月20日、地下鉄サリン事件から30周年を迎えた。事件2日後には、全国にあったオウム真理教教団施設への警察の強制捜査が行われたから、それからも30年や。これにより教団幹部から末端の信者までが、殺人などの凶悪犯罪から始まって交通違反などの微罪までさまざまな容疑で逮捕され、その供述などから背筋が凍りつくような犯行と陰謀が明らかになったのである。

30年の節目に新聞各紙やテレビ各局は特集・特番を組み、報道・放送したんは読者の皆様(みなさま)もご存じやろ。

しかし、そんな資格が日本のテレビ局にあるのか。実は日本で猛毒のサリンがまかれたんは東京の地下鉄が最初やない。その9カ月前にも教団は長野県松本市でサリンをまき、死者8人、負傷者600人以上の被害を出していたのである。

坂本堤弁護士一家殺害事件を起こしたのは、そのさらに5年前や。殺害現場には血痕やオウムのバッジまで残されていたにもかかわらず、神奈川県警はこれを単なる失踪事件としか捜査せんわ、テレビ局も当初はガン無視、何にもせんかったやん。

当初からオウムに目を向け、批判を続けていたんはジャーナリストの江川紹子氏やテレビ局サマがいう「一部週刊誌」だけやった。これって、ジャニーズ問題と同じやんけ。

TBSなんぞ、オウムを批判した坂本弁護士のインタビュービデオをオウム幹部に見せ、それが一家殺害のきっかけとなった。オウムの脅しに屈し、放送せんかったばかりか、6年以上も事実を隠蔽(いんぺい)し続けとったのである。

松本サリン事件では、被害者を当初、容疑者扱いした長野県警の尻馬に乗って各局は人権侵害さながらの報道被害を巻き起こしたんやで。

さらに民放各局は、オウムとなれ合い、事もあろうか、教団幹部をバラエティー番組にまで招き、局アナが麻原彰晃元死刑囚のことを「尊師」と呼ぶわ、追っかけギャルまで現れた教団広報幹部の特集までやる無節操ぶりや。そんなテレビ局がどのツラ下げて「風化させてはならない」と言うんや。



宮嶋茂樹

みやじま・しげき カメラマン。昭和36年、兵庫県出身。日大芸術学部卒。写真週刊誌を経てフリーに。東京拘置所収監中の麻原彰晃被告や、北朝鮮の金正日総書記(いずれも当時)をとらえたスクープ写真を連発。著書に『ウクライナ戦記』など。

https://www.sankei.com/article/20250327-42XWUI7E3RPVTF2F6UDU4Z3ZM4/