岡山市中心部の商業ビル「岡山ロッツ」(同市北区中山下)が28日、閉館した。2000年秋の開業以来、雑貨店の岡山ロフト(15日閉店)を核ににぎわったが、小売業界の競争激化などから存続を断念した。跡地はマンションになる見通し。ロフトは天満屋岡山店(同表町)に移り2日から営業を再開する。

 最終日は衣料や雑貨などの9店が、商品をワゴンに載せるなどして格安販売した。雑貨店でギフト用の包装紙を買った会社員女性(40)=同市南区=は「ここにあるのが当たり前で、通い慣れたビル。ロフトが天満屋で続くとはいえ、やっぱりさみしい」と惜しんだ。

 ビルは1974年建設で鉄筋8階地下2階、店舗面積延べ1万5千平方メートル。量販店のイズミ岡山店、ファッションビル・フィッツを経て00年11月、岡山ロッツに業態転換した。しかし14年、西約900メートルに岡山県内最大の商業施設・イオンモール岡山(同市北区下石井)が開業し、ネット通販との競合も激化。新型コロナウイルス禍もあって、昨年6月に閉館が決まった。

 跡地ではマンション大手・長谷工コーポレーション(東京)などが高層の分譲マンションを建設予定。ビル解体に伴い、天満屋バスステーションと結ぶブリッジも撤去される。