倉敷市議 違法金利で金貸し裁判所から5000万円支払い命令
11月16日 13時57分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20231116/4020018607.html
破産法違反の疑いで逮捕された倉敷市議会議員が、知り合いの建築業者に違法な金利で金を貸していたとして、およそ5000万円を支払うよう裁判所に命じられていたことが分かりました。

倉敷市議会議員の塩津学容疑者(52)は、およそ5200万円の借金があるように装い裁判所に破産を申し立て、おととし9月、手続きの開始の決定を受けた破産法違反の疑いで15日に逮捕されました。
議員は知り合いの建築業者の男性に440万円を違法な金利で貸して、3900万円余りを受け取っていたとして、岡山地方裁判所倉敷支部に訴えを起こされ、令和2年9月、裁判所に「契約自体が無効だ」として、およそ5000万円を支払うよう命じられていたことがNHKが入手した判決文から分かりました。
警察は、多額の借金を装い破産を申し立てたのは、この支払いなどを逃れようとしていた可能性があるとみていきさつを調べています。

【岡山地方裁判所倉敷支部の判決】
岡山地方裁判所倉敷支部が、令和2年9月に言い渡した判決によりますと、議員は平成22年以降9回にわたって、知り合いの岡山県内の建築業者にあわせて440万円を貸し、法律の上限を超える金利を定めていたとされています。
議員は3974万6000円の返済を受けたということですが、建築業者は公序良俗に反して無効だと主張していました。
判決のなかで岡山地方裁判所倉敷支部は「それぞれの借入契約の金利は、ひと月25%、年間30%であると認められ、刑罰法規に抵触する違法性が極めて高いものと評価せざるを得ない。また、知人が経済的に窮迫した状態を利用して締結されたもので、契約全体が公序良俗に反し無効だ」などと指摘して、議員に対し3974万6000円全額の返還を命じました。
訴訟費用などをあわせると、議員の支払いはおよそ5000万円に上り、この判決は令和2年10月に確定しています。