https://hochi.news/articles/20211109-OHT1T51170.html
2021年11月10日 6時0分スポーツ報知

https://hochi.news/images/2021/11/09/20211109-OHT1I51241-L.jpg
囲み取材に応じた木下富美子都議



 7月の東京都議選の選挙戦期間中に無免許運転で人身事故を起こし書類送検された木下富美子都議(55)が9日、再選後初めて登庁。正副議長と面会し、辞任しない意向を示した。しかし、一部の会派は怒り心頭で、委員会をボイコット。開始の見通しがたたず、都議会に混乱を招いた。

 約4か月ぶりの公の場に現れた木下氏は、胸元が開いた赤いワンピースに身を包み、紺のジャケットを羽織るいでたちだった。「おわびの気持ちを申し上げます。免許の再取得はせず、車等の運転はしない。事故時の車も、すでに処分をしている」と、時折ハアハアと息を切らし、目に涙をため反省の弁を述べた。欠席していた3か月分の議員報酬約192万円については、NPO法人などの団体に寄付したという。

 一方、「(都議を)ぜひ続けてほしいとの声があるのも事実」と主張し「失われた信頼を回復するのは厳しい道だが、議員活動の中で答えを導き出したい」と辞職はしない考えを示した。

 この日、木下氏は午後1時から都議会の委員会に出席の意向を示していたが、先だって行われる委員会理事会で自民党や公明党の都議が、辞職勧告を受けた立場での木下氏の出席を問題視し、退席。理事会は全会派が出席しなければ成立しないため、退席により成立は不可能に。委員会も開催が保留となった。

 出席していた立憲民主党の山口拓都議(49)は「彼女がいるのがわかっていて、部屋に入るのが不快だったので最初は入らなかった」と怒りをあらわに。他都議への説明、あいさつもなく仕事に復帰しようとしている姿勢を「議会人としての常識があるのか疑問。勝手な行動で委員会議会を止めているということを深く認識していただきたい」と厳しく批判した。

 木下氏は事故後、選挙活動のストレスや不眠による体調不良を訴え、議会を長期欠席していた。議会は2度にわたり、辞職勧告を決議。正副議長名義による「召喚状」が3度送られていた。木下氏には、12月1日まで在職すれば期末手当として約204万円が支給される予定だ。

 ◆木下都議の主な発言

 ▼自身の一期目4年間の功績を主張 「力が弱い立場の方々の声に耳を傾けて、課題解決につながるよう、努力をしてきた。あわせて2000件ほどの皆さまの声をお答えした4年だった」

 ▼体調について 「事故の前、選挙活動の期間から不眠ストレスなどで体調が悪い状況。事故を受けさらに状況が厳しくなり、よく寝られない日々が続いたり、食べ物が口を通らない日があった。寝ずに頑張ると高揚してしまってハイテンションになるような状況が続いていた。診断書をもらい、今お薬を処方してもらっている」

 ▼事故について 「10月半ばに示談を言っていただけたことには感謝したい。現在も捜査が続けられている。これらが整理された段階で弁護士とも相談しながら説明を行っていきたい」