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2021/12/15 23:03


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オンラインで会談する中国の習近平国家主席(右)とロシアのプーチン大統領。中国中央テレビが15日放映した(共同)

【北京=三塚聖平、モスクワ=小野田雄一】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は15日、オンライン形式で会談した。中国国営新華社通信によると、習氏は「国際的に一部の勢力が『民主』や『人権』を隠れみのに、中露両国の内政にみだりに干渉している」と強調。中国政府による新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題などを批判する米国を念頭に非難した。

両氏のオンライン会談は6月以来。バイデン米政権は今月上旬に「民主主義サミット」を主催したが、権威主義国とみなされた中国とロシアは招待されなかった。

習氏は「中国はロシアと意思疎通や協調を強化し、国際社会が正しい民主観を打ち立てるよう導きたい」と主張し、タス通信によると、両首脳は同サミットについて「世界の分断を目的とし、非生産的」との認識で一致。米国への対抗に向けた結束を改めて確認した。

プーチン氏は会談で、来年2月に予定される北京冬季五輪の開会式に出席して北京で習氏と直接会談すると表明。米英など一部の国が「外交的ボイコット」を決定する中で「中露両国は五輪の政治化に反対してきた」と強調した。

習氏はプーチン氏の五輪出席について「実際の行動で支持を示した」と評価。その上で「新型コロナウイルス後の中露関係の新たな一章を共に打ち立てたい」と呼び掛け、五輪をめぐる両国連携もアピールした。

ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると、プーチン氏は北大西洋条約機構(NATO)との間で緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり、NATOにこれ以上の東方拡大をしないとする「法的な保証」を求めていることを習氏に説明。習氏はロシアの立場を完全に支持した。両首脳は日米豪印による「クアッド」や米英豪による「AUKUS(オーカス)」の枠組みも批判した。