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2021/12/31 23:03


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新年を迎えるあいさつを発表する中国の習近平国家主席(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国の習近平国家主席は31日、中国国営中央テレビを通じて新年を迎えるあいさつを発表し、2022年2月の北京冬季五輪について「世界は中国に期待しており、中国は準備ができている」と述べた。米欧の一部は北京五輪に首脳や政府使節団を送らない「外交的ボイコット」を実施すると表明しているが、改めて開催に自信を見せた形だ。

習氏は、北京五輪について「われわれは誠意を尽くし、世界のために盛り上がる五輪にする」と強調した。22年後半の中国共産党大会で習氏が長期政権化を目指す中、五輪成功を国内外にアピールする考えとみられる。

また、新型コロナウイルスの世界的な流行への対応として、中国が120余りの国と国際組織に20億回分のワクチンを提供したと表明。海外の指導者らが「中国の貢献をたびたび褒めたたえている」と自賛した。

一方、統制を強めている香港に関して「心を合わせて協力し、ともに努力して初めて、『一国二制度』は安定かつ長期的に発展できる」と主張した。香港では、中国主導で選挙制度の見直しが強行されてから初の大型選挙となった香港立法会(議会)選挙で親中派が議席をほぼ独占した。22年3月には行政長官選挙が行われるが、新たな選挙制度の下で中国主導の香港統治を進めていく方針だ。

台湾問題に関しては「祖国の完全統一の実現は、両岸(中台)同胞の共通の念願だ」という従来の見解を繰り返した。

習氏は「われわれは常に将来を見通し、平和な時も困難や危機に備えて準備を怠らず、戦略的な不動心と辛抱強さを保たなければならない」とも強調。米国との対立長期化も見込まれる中、国内体制の強化を進める考えとみられる。