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2022年01月03日07時04分

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立憲民主党の新ポスターを発表する泉健太代表=2021年12月24日、東京・永田町

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街頭演説する立憲民主党の泉健太代表=2021年12月14日、東京・有楽町




 立憲民主党の新体制がスタートして1カ月余り。天王山となる今夏の参院選をにらみ、泉健太代表は独自色の打ち出しに腐心するが、立民への期待感は高まっているとは言い難い。参院選候補の一本化調整も手付かずで、泉執行部は手探りの党運営が続く。
 先月24日の記者会見。「迫力不足で批判が足りないと言う人が党内にいる」と指摘された泉氏は、「批判を封じるとは一回も言っていない。批判が足りないと思うなら、国会質問に立ってもらいたい」と珍しく反論した。
 泉氏は昨年11月末の代表就任後、代表選で公約した執行役員の男女同数を実現。12月の臨時国会では、「官僚つるし上げ」の評もあった野党合同ヒアリングの取りやめを指示。自ら代表質問に立ち、新型コロナウイルス対策など「17項目の政策提案」を行い、新生立民をアピールした。
 枝野幸男前代表当時、批判一辺倒のイメージが立民に定着し、衆院選で進めた共産党との野党共闘は、支援組織・連合と非自民の保守層の離反を招いたとの思いが強い。泉氏の周辺は「(枝野路線で)選挙に負けた。間違いだった」とし、参院選を勝ち抜くには中道や穏健保守の取り込みを図ることが不可欠と説く。
 しかし、路線転換が支持されているとは言えない。各種世論調査で、新執行部に「期待しない」が「期待する」を上回る結果が相次いだ。泉氏は国会対応について「(批判と提案の)両方大事だ」と語る。
 肝心の参院選の候補擁立作業も遅れが目立つ。全国に32ある1人区での公認決定は現職を含め長野、長崎など5選挙区にとどまる。候補一本化に向けた共産党など他党との協議は、月内をめどとする衆院選総括後に先送りする方針だ。
 こうした状況に先月21日の両院議員総会では、出席議員の1人が「参院選の候補者(選定)を優先すべきだ。これでは間に合わない」と執行部を突き上げる一幕もあった。
 泉氏を含め代表選に出馬した4人全員が執行部入りしたものの、実質的な党運営に関わった経験はいずれも乏しい。まずは今月召集の通常国会対応で真価が問われる。