https://www.sankei.com/article/20220104-IKK2S4OUJJIWDECDZC5V647MNA/
2022/1/4 18:16


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韓国の国旗(AP)

【ソウル=桜井紀雄】韓国北東部の江原道(カンウォンド)の軍事境界線付近で1日に監視所の鉄柵を越えて1人が北朝鮮に入った事件で、韓国国防省当局者は3日、北朝鮮から2020年11月に似た経路で韓国入りした脱北者と同一人物との見方を明らかにした。監視カメラが捉えた映像などから判断した。

韓国当局はスパイの疑いを否定している。ただ、同じ人物に2度にわたって監視網を突破されたことになり、韓国軍の警戒の緩みが批判されている。

韓国メディアによると、30歳前後のこの脱北者は20年の脱北当時、体重50キロ余りと小柄で約3メートルの鉄柵を跳び越えていたことが判明し、話題となった。「器械体操を習った」と話していたという。

定着のための教育施設を出所後、ソウル市内で清掃作業員をしていたが、経済的に苦しく、周囲に不満を漏らしていた。

韓国紙の朝鮮日報は、この脱北者が「韓国は人が生きる場所ではない」などと語り、国会前で「北朝鮮に送り返してほしい」とデモをしたこともあったと伝えている。この脱北者を管轄する警察署が「越北の兆候がある」と報告したが、警察庁は根拠不足とみなしていた。先月30日から消息が途絶えていた。

北朝鮮軍兵士らしき数人が1日、北朝鮮に入った人物を連れていく様子が捉えられたが、その後の安否は不明だ。