https://mainichi.jp/articles/20220201/k00/00m/040/044000c

毎日新聞 2022/2/1 11:30(最終更新 2/1 11:30) 843文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/02/01/20220201ddlk20040454000p/9.jpg
つららの下敷きとなった事故のイメージ

 相次ぐ大雪で、雪かきや氷の撤去作業中に事故に巻き込まれる危険性が高まっている。長野労働局によると、1月にはスキー場で長さ約4メートルのつららの撤去作業中に、従業員が崩れてきたつららの下敷きになって死亡する事故が発生した。労働局は「例年以上に労働災害発生のリスクが増大している。今回ほど大きくなくても、とがっているつららの下での作業は危険だ」として事故防止の徹底を訴えている。【熊谷豪】

 警察などによると、つららの下敷きになった事故は、長野県立科町の「しらかば2in1スキー場」のレンタルショップなどが入る施設で起きた。1月22日午後3時50分ごろ、施設の従業員、長田武夫さん(66)が同僚と2人で、つららをハンマーでたたいて壊す作業をしていたところ、長田さんがつららの下敷きになった。長田さんは病院に搬送されたが死亡した。



 つららは高さ3・5メートルの場所にある大きな雨どい付近から伸びていた。太さは90センチで、かなりの重みだったとみられる。

 施設の運営会社によると、今年は降雪量が多く、つららが例年よりも大きくなった。スキー客が行き来する場所ではなかったが、建物に被害が出ないよう除去作業をしていた。今後、融雪設備を導入するとしている。



 労働局は事故を受け、再発防止のポイントを公表した。つららが小さいうちに取り除くことや、離れた場所から作業することを呼びかける。また大きくなったつららは無理に撤去せず、付近を立ち入り禁止にするよう求めている。

 一方、自宅での雪下ろし作業中の事故も多発している。飯山市では1月16日、自宅屋根の雪下ろし中に転落したとみられる67歳の男性が、雪に埋もれた状態で見つかり死亡した。県によると、この死亡事故1件を含め、昨年12月から1月末まででの間に、死傷者の出た雪害事故の報告はすでに30件に上り、今後さらに増える恐れがある。前年は40件、降雪の少なかった前々年は6件だったといい、県は「雪が多いと事故も増える傾向がある」として注意を呼びかけている。