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2022/2/3 19:34


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林芳正外相、韓国の鄭義溶外相(聯合=共同)

林芳正外相は3日、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相と電話会談を行った。日本政府が「佐渡島の金山」を世界文化遺産に登録するよう国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦したことについて、鄭氏は日本側が「韓国人強制労働の痛ましい歴史」に目を背けているとして「深い失望と抗議の意」を表明した。林氏は「韓国側の主張は受け入れられず遺憾だ」と抗議した。

林氏はまた、いわゆる徴用工訴訟や慰安婦訴訟問題について「韓国国内の動きにより日韓関係は引き続き非常に厳しい状況にある」と批判した。その上で「韓国が責任をもって対応する必要がある」と迫った。

これに対し、鄭氏は「被害者らが受け入れられる解決策を模索するため、日本側のより積極的な姿勢」を求めた。2015年に遺産登録された長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」についても「強制労働」を説明する措置が履行されていないと主張。「日本が表明してきた謝罪と反省の精神に逆行する動きを見せている」と非難した。

電話会談は北朝鮮の中距離弾道ミサイル(IRBM)発射を受け日本側が提案した。両外相はIRBMに「深刻な懸念」を共有し、日韓、日米韓で連携していくことを改めて確認した。

両外相は昨年12月、英国での先進7カ国(G7)外相会合の夕食会で立ち話をしたことがあるが、電話会談は昨年11月の林氏の就任後初めて。(杉本康士、ソウル 桜井紀雄)