2022年02月14日 10時53分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 2月に入ってからというもの、おそらく一生分の「トレパク」という言葉を目にしたように思う。

 人気イラストレーター「古塔つみ」氏の多くの作品が、既存の写真や画像をトレースしたものではないか、またその利用許諾もとっていないのではないかとして、炎上状態にある。

 「古塔つみ」氏本人はこの騒動について、「引用・オマージュ・再構築として制作した一部の作品を、権利者の許諾を得ずに投稿・販売してしまったことは事実」という声明をTwitterで出している。その一方で、「写真そのものをトレースしたことはございません。模写についても盗用の意図はございません」と、トレースではなく模写であると主張している。


 これを受けて、同氏の作品集を出版していた芸術新聞社では、事実関係の精査のため、一旦出荷停止の措置を取ることを発表した。

 声明では「クライアントワークは全てオリジナル作品です」としているが、コラボTシャツを販売していたポケットモンスター事業会社のポケモンでは、作品自体はオリジナルであると判断したものの、事態を重く見て店舗及びオンラインショップで販売した分の「返金・キャンセルを承る」と発表した。


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ポケモンによる発表
トレースと創造性
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