【ワシントン=中村亮】米国防総省高官は27日、記者団に対して、ロシア軍によるウクライナの首都キエフへの進軍が滞っているとの分析を示した。ウクライナ軍の強い抵抗に加え、燃料が不足していることを理由にあげた。

高官によると、ロシア軍はキエフの中心部から北方に約30キロメートルの位置におり、前日から前進していないと説明した。第2の都市ハリコフへの進軍に関しても燃料などの後方支援の遅れが大きな障害となっているという。

高官は「ロシアは今回の問題から学んで適用しようとする」と述べ、後方支援体制の強化を図ると予測した。ウクライナ周辺に集まったロシア軍の3分の1は依然としてウクライナに入っていないと推計し「ロシアは強力な戦闘能力を残している」と指摘。「ロシアは作戦において大きな優位性をまだ持っている」と話した。

キエフ中心部に潜伏するロシア軍の「偵察部隊」はウクライナの軍服を着用し、身元を偽装しようとしているとの見方を示した。警戒を高めるウクライナ軍に発見されるケースがあるといい、ロシアの常とう手段だとも説明した。中心部では偵察部隊とウクライナ軍の戦闘が散発的に起きているという。

日本経済新聞 2022年2月28日 2:37
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