ジェンダー教育に積極的に取り組む男子校が出始めた。男子のみの環境で育つ生徒たちが将来、異性がいる環境の中で過ごすようになったとき、相手を尊重し、理解できるようにとの考えからだ。男子のみでは感じにくい男女格差の現実を、その背景も含めて知ることを目指す。取り組みの現場を訪ねた。

 2月下旬、駒場東邦中(東京都世田谷区)2年のクラスと、昭和女子大の学生たちがオンラインでつながった。2校が共同で開く授業で、昨年に続き2回目。中学の各クラスの授業に大学生が2人ずつ参加する。

 この授業ではおむつのCMが取り上げられた。子どもが1歳になったことに合わせて、夫が妻に「ママも1歳、おめでとう」と祝う内容だ。参加した生徒からは「普段伝えられない感謝をこういう機会に伝えられるのは良い」という感想があった一方、「子育ては母親のもの、という描き方になっているのでは」という意見も出ていた。

 授業に参加した杉原領(れい)さん(14)はCMについて様々な見方があると知り、「貴重な機会だった」と振り返った。

 2年前、駒場東邦の教諭が生徒と昭和女子大のジェンダーに関する講演会に参加したのがきっかけで、男子校と女子大という、普段接点のない2校につながりが生まれた。

 駒場東邦は、東大進学者を5…(以下有料版で,残り1110文字)

朝日新聞 2022年3月7日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ347DCXQ2XUTIL03V.html