【ソウル=桜井紀雄】韓国で15日、日本の朝鮮半島統治からの解放を記念する「光復節」を迎え、政府式典が開かれた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は演説で、日本について「いまや、世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、共に力を合わせて進むべき隣人だ」と指摘。日韓関係を早期に修復し、発展させると強調した。

いわゆる徴用工訴訟など日韓間の懸案を念頭に、日韓関係が「普遍的価値を基盤に両国の未来や時代の使命に向かって進むなら歴史問題もきちんと解決できる」と訴え、1998年の当時の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相による日韓共同宣言の継承を改めて掲げた。

両国の政府や国民が「互いに尊重し、経済や安全保障、社会、文化にわたる幅広い協力を通じて国際社会の平和と繁栄に共に寄与しなければならない」とも述べた。具体的な関係改善策の提示はなかった。

北朝鮮に対しては、核開発を中断し、「実質的な非核化」に転換すれば、「その段階に合わせて北朝鮮の経済や国民生活を画期的に改善できる大胆な構想」を提案するとし、食糧支援や発電などのインフラ、農業、医療、金融など多方面に及ぶ支援策を提示した。

産経新聞 2022/8/15 11:01
https://www.sankei.com/article/20220815-2JZLMQO2MJJKXPG3SKEMEMCO6U/