科学者たちの目を盗み、新しく発見された小惑星が南極大陸上空を通過していたことが明らかになり、話題を集めている。『New York Post』など海外メディアが報じている。

■小惑星「2021 UA1」が通過
10月23日、「2021 UA1」と名付けられた直径6.6フィート(79.2センチ)の冷蔵庫サイズである小惑星が、地球に近い距離を通過していたことが、NASA(アメリカ航空宇宙局)の調査により判明した。

地球の南半球上空約1,800マイル(約3,000キロ)を通過し、これは地球に衝突しなかった小惑星の中で、3番目に近い距離を通過したことになるという。また非常に近い位置ではあるものの、国際宇宙ステーションまでの距離よりは遠いそうだ。

■通過するまで気づかず…
「2021 UA1」は、アメリカ・アリゾナ大学の月惑星研究所で、地球に脅威を与える小惑星を特定している調査「カタリナ・スカイサーベイ」によって、最初に発見された。

日中、太陽の方向からこの小惑星が近づいてきたことで科学者たちの視界に入らず、地球を通過して数時間がたつまで、その存在は気づかれていなかったというのだ。

しかしながら、「2021 UA1」ほどの大きさの小惑星が地球にさらに接近していたとしても、大気圏突入時に燃え尽きただろうということが、今回の調査報告書で明らかにされた。

■小惑星の衝突は回避できる?
NASAのケリー・ファスト博士は、10月末にNASAのFacebookに動画を投稿した。その中で、これまでハリウッド映画でも数度取り上げられてきた「地球に衝突すると思われる小惑星が発見されたらどうするのか?」という質問に答えている。

ファスト博士は「小惑星が衝突してくる前に、対処しなくてはいけなくなった場合に備え、小惑星が地球を見つけ出す前に、こちらが小惑星を見つけることが最大の防御策となる」と答えている。

そして、「小惑星の衝突は、地球の自然災害の中で唯一防ぐことができるもの」だとも語ったという。

■衝突回避ミッション
NASAの地球防衛調整局は、日々数多くの小惑星を特定し、将来の軌道予想をドキュメント化する作業を行っているそうだ。

ファスト博士によれば、「小惑星の衝突が数年もしくは数十年単位で事前に検知することができれば、軌道を変えるためのミッションも実施可能かもしれない」とのこと。

映画『ディープ・インパクト』のような衝突回避ミッションが、今後実際に起こり得るのかもしれない。

https://sirabee.com/2021/11/02/20162693408/