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若いころに比べておならが出やすくなっていると思っていたら今度は……。40代以降の女性の体の悩みで尿漏れは定番ですが、実は便漏れも悩みの一つ。病院に行くほど重い症状でもないけれど、他人にはあまり気軽に話せないだけに、ひとりで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ここでは、ごくたまに少量の便漏れがあるという軽い症状の原因や対処法について、 産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。

そもそも便漏れとは?

「肛門括約筋」が衰えることで起きる
便漏れにもいくつか種類がありますが、ここでは加齢による「漏出性便失禁(ろうしゅつせいべんしっきん)」を取り上げます。自分で気付かないうちに便が漏れる症状です。

「便は、大腸のぜん動運動によって運ばれます。便により直腸の壁が刺激されると、その刺激が脳に伝わり、脳は便意を感じます。その脳の指令により肛門括約筋を緩めて便を排せつします。

通常は肛門括約筋という肛門の筋肉が締まっているため、便は漏れません。しかし、何らかの原因により肛門括約筋や直腸、肛門、便を感じる神経などの働きに障害が起きることで便が漏れる“ 便失禁 ”を招くと考えられています」(駒形先生)。

便失禁が40代、50代で起こる理由は?

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女性は骨盤底筋群が衰えやすい
便失禁というと高齢者によくある症状というイメージですが、40代、50代女性に起こる場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。

「肛門括約筋は骨盤底筋群という筋肉の一部です。骨盤底筋群とは、 骨盤の底に位置する筋肉で、ハンモックのように骨盤内にある膀胱、子宮、直腸などの臓器を支え正しい位置に保ってくれます。 排便や排尿のコントロールする役割も持ちます。女性は子宮と卵巣があり、支える臓器が多いので内臓が下垂して骨盤底筋群が緩みがちです」

内臓が下垂して便をためられず、腹圧が伝わりにくくなる
「また、内臓が下垂すると直腸に便をためておく貯留能も低下し、便を出すときの腹圧も伝わりにくくなります。もともと筋肉量が少ない上に、40代、50代になると加齢と運動不足でさらに筋力が低下する女性は男性よりも便失禁が起きやすいとされています」(駒形先生)。

次の章では、便失禁の予防、対処法を紹介します。

気付いたときに肛門括約筋を意識して!

病院に行くほどではないけれど便失禁は治したいという場合は、どうすれば良いでしょうか。